研究会の活動

目 的

  日本では2014年2月に世界に先駆けて4人に1人が65歳以上の高齢者となり、75 歳以上の高齢者は2025年には人口の18.2%,2055年には40%となる見込です。少子化・非婚化や経済成長の鈍化の中で、1人の高齢者を1.2人の現役世代が支える未曾有の高齢社会が到来するわけです。特に、軽度認知障害を含む認知症の人はすでに862万人に達していますが、認知症にはまだ決定的な治療法がないため、このままでは数十年後の日本には認知症高齢者を支える余裕がなくなるでしょう。あらゆる社会資源を投入することにより、認知症の人や高齢者とともに生きるためのイノベーションを起こす必要があります。
  そのようなイノベーションを先導するため、本研究会では,多分野の研究者や行政担当者などの交流を促進することによって高齢社会の諸問題の本質を探究し、情報学の観点から人類未踏の高齢社会のデザインに関する研究に取り組みます。多くの学問や産業の分野や自治体等とも連携し,情報学以外の分野の研究者や実務家にも有益な活動を展開したいと考えています。
  本研究会の設立に関して,ヒューマンインタフェース,ユビキタスコンピューティング,自然言語処理,データベース,人工知能,ロボティクス,医学,看護学,歯学,建築学,心理学,リハビリテーション学,経営学,法学など幅広い分野からの発起人にご賛同いただきました。今後この研究会は,学際的な情報交換や産学官連携の場として重要な役割を担うものと期待しております。ぜひとも多くの方々にご参加いただきたく、ご案内申し上げます。

主な研究分野

・高齢社会の自助・共助の促進,
・エビデンスに基づく認知症ケア技法の評価,行動観察
・パーソナル情報の表現・管理・活用,個人情報保護
・福祉介護機器システム,ウェアラブル機器,ロボット
・認知症高齢者の行動センシング,徘徊モニタリング,感情理解,ライフログ
・多様な高齢者のための住空間デザイン,見守り,安全運転支援,地域交通システム
・高齢者の摂食嚥下機能のケアとリハビリ
・地域包括ケアシステム,医療介護スタッフの多職種連携
・看護・介護技術の暗黙知の形式知化
・認知症高齢者との対話,マルチモーダルコミュニケーション
・臨床倫理,プライバシー