第1回高齢社会デザインシンポジウム

本シンポジウムは、情報学の観点から高齢社会の諸問題を解決するデザインを探究するため、情報学以外の分野の研究者や実務家にもわたる幅広い学際的コミュニティに対して、関連する研究や実践に関する情報発信と意見交換の場を提供します。

開催日時

2016年7月10日(日)
13:00 - 18:00

テーマ

高齢社会デザイン

会場

東京大学本郷キャンパス
工学部2号館212号室 http://www.kikaib.t.u-tokyo.ac.jp/map2/
〒113-8656 東京都文京区本郷 7-3-1

プログラム

2016年7月10日(日)

開場 (工学部2号館212号室)
12:30

開会挨拶
13:00 – 13:05

特別講演1
13:05 – 14:05

使って貯めよう筋肉貯筋 -使えば無くなるお金の貯金-
福永 哲夫(鹿屋体育大学 学長)

 年齢を重ねること(加齢)は、筋肉,骨や神経など身体を構成する諸器官の発揮機能の低下を引き起こします。一般に歳をとるに伴い身体運動は減少する傾向にあるので、身体の各器官や組織は加齢に運動不足の影響が加わり加速度的にその機能を低下させることになります。
 そこで本講演では、加齢にともなう筋、骨、脂肪の変化を見るとともに、適切な身体運動を行なっている高齢者の例を紹介することにより、日常生活における身体運動の重要性について次のような観点から提言いたします。
(1)筋肉の老化は部位により異なる(大腿前が最も著しい)
(2)身体不活動は筋機能を著しく低下させる
(3)高齢者でもトレーニングにより筋機能は高まる
(4)高齢者が日常で実施できる運動プログラム(ホーム貯筋術)を提案する

特別講演2
14:05 – 15:35

優しさを伝えるケア技術:ユマニチュード
Yves Gineste (Instituts Gineste-Marescotti / 静岡大学客員教授)

 さまざまなケアを提供する専門職や家族にとって、ケアの対象となる人にとって最も適切なケアのレベルを見極め、必要なケアの内容を選択し、実施することは重要な職務であり、技術です。これは単に「何でもしてさしあげる」ケアとの決別であり、その人が持っている能力を最大限に引き出し、機能の改善もしくは保持をできるだけ目指すことをそのゴールとします。
 ユマニチュードはフランスの体育学の2人の専門家イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが、病院や施設、家庭において38年間実施してきた経験に基づくケアの技法です。ケアをする人とは「相手の機能を奪わない人」である、という哲学の基に、さまざまなケア技術が開発されています。特に立位の援助については、単に生理学的・リハビリテーション的な観点にとどまらない、空間認識・ひととしての尊厳に関する視点に重点を置いたアプローチとして実施します。
 今回はこのケアの哲学・基本技術についての講演を行ないます。

休憩
15:35 – 15:50

ケアオントロジーワークショップ
15:50 – 17:30

 どのような人にどのようなケアを提供すれば効果が高いかが形式知化されていないため、優れたケアの方法を普及させ科学的手法に基づいて評価・改良することができていません。質が高いと考えられるケアの現場で具体的にどのような実践がなされどのような効果を上げているかを分析するために各種データを収集する試みはありましたが、記録の多くが手書きの自由テキストであり、また内容が標準化されていなかったため、自動解析による評価等が困難でした。
 そこで、ケアの内容をオントロジーで規格化することによりケア記録のデータを自動解析できるようにし、効果的なケアの方法を形式知化したいと思います。本ワークショップではそのオントロジーの叩き台を作るため関連する研究や実践の知見を共有し、それらの統合を試みます。本研究会では、そのオントロジーに基づいてケア記録を作成できるソフトウェアツール等の整備も進め、優れた実践を具体的な記録作業とともに普及させることを目指します。

序論
橋田 浩一(東京大学)

事例紹介1
石川 翔吾(静岡大学)

事例紹介2
中澤 篤志(京都大学)

事例紹介3
田中とも江(こうほうえん西大井)

討論

閉会挨拶
17:30

交通案内

http://www.kikaib.t.u-tokyo.ac.jp/map2/

参加費

高齢社会デザイン研究会登録会員:2,000円
情報処理学会正会員 かつ ASD研究会非会員:4,000円(※研究会登録込みで5,000円)
学生/ジュニア会員:500円
非会員:5,000円(※研究会登録込みで6,000円)

今回のシンポジウムにあわせて高齢社会デザイン研究会に登録される場合、上記参加費に+1000円で登録が可能になります(通常は3888円の登録費)。大変お得になっておりますので、この機会にぜひシンポジウムに足を運んでいただくとともに高齢社会デザイン研究会にもご登録ください!

お問い合わせ

石川翔吾(静岡大学)
Mail:ishikawa-s[at]inf.shizuoka.ac.jp
※[at]→@と置き換えて下さい.